医学用語と食べ物のかかわり 代謝・内分泌編

医療従事者が病変の比喩に食べ物をよく用いることは周知のことだと思うが、そのような表現についてまとめていこうと思う。こういったことは誰かがすでにやってそうなものだが見つけることはできなかった。先例があるのなら教えてほしい。

ここでは代謝や内分泌に関するものについて書く。実際に使用されていることはGoogleで検索するなどすれば知られるので出典などは基本的に明示しないが、網羅的に調べるにあたっては『病気がみえる vol.3』第5版などを参考にしている。題にそぐわないように思われるものもこれに載っているものは便宜上ここに書く。いずれ整理する。

 

 

魚の目(鶏眼)

継続的な圧迫により角質が増殖・肥厚して生じる。隆起病変として生じるものがたこ(胼胝)で真皮を侵食するものが魚の目。糖尿病での神経障害などに際しては触覚が鈍くなることで過剰な負荷がかかりこれが生じることがある。他の分野だと摂食障害で生じる吐きダコとかも。しかし鶏や魚ってだけで食べ物に含めていいのかな。

日本語の由来を調べる手段に疎く、胼胝が蛸と関係するのかは分からなかった。特に似た形には見えないが。

 

カリフラワー様

先端巨大症・下垂体性巨人症で見られる手指末節骨の肥大変形に関して用いられる。

成長ホルモンの過剰分泌によって生じる所見の一つ。

 

赤葡萄酒色尿・ポートワイン尿/port-wine urine

ポルフィリン症で見られる尿の形容に用いられる。

ヘム合成回路の異常により中間物質などが尿中に排泄されることで生じる。

ポルフィリン症/porphyriaやポルフィリン/porphyrinという言葉自体もギリシャ語で紫色を示すπορφύραに由来する。便や尿が紫を示すためこのように呼ばれているとか。紫/purpleも元をたどればこの語。

 

塩胡椒像/salt and pepper appearance

副甲状腺機能亢進症における頭部単純X線像で見られる所見。PTH分泌亢進による骨吸収亢進などから頭蓋骨の脱灰が生じ、粗となった骨梁がびまん性の透亮を示す。pepper pot skullなどとも言われる。

salt and pepperという表現は脳内血腫のCT所見においても用いられる。確かに白黒でびまん性なら任意の場所で使えそうな気はする。

 

 

以上の内容は予告なしに編集・追記されることがある。他にあれば教えてほしい。